プロジェクト概要

プロジェクト概要
項目内容

業種

BtoB サービス業

課題

法人取引先情報の管理がExcel手作業に依存し、月間十数時間の工数が発生

ソリューション

国税庁 法人番号データ(500万件超)を活用した企業マスタの自動構築・更新

成果

メンテナンス工数ゼロ化、月間十数万円相当のコスト削減

お客様の課題

今回のお客様は、数千社規模の法人取引先を抱えるBtoB企業でした。取引先情報は長年にわたりExcelで管理されており、住所変更や名称変更の反映、新規取引先の追加、閉鎖法人の整理といった更新作業に、毎月担当者が十数時間を費やしている状況でした。

お客様からのご相談は明確でした。

「Excel管理から脱却したい。取引先マスタを常に最新の状態で維持できる仕組みを作れないか。」

法人番号データという公共インフラの活用

国税庁は「法人番号公表サイト」を通じて、全国すべての法人の基本情報(法人番号・法人名称・所在地)をオープンデータとして無償公開しています。

国税庁 法人番号公表サイト

出典: 国税庁法人番号公表サイト(2024年11月時点)

このデータは商用利用も含めて自由に活用でき、日次で更新データも提供されます。私たちはこの公共データを基盤として、お客様の企業マスタを自動で構築・維持するシステムをご提案しました。

ただし、活用にはハードルがある

公開されている法人データは500万レコード超という膨大な規模です。通常のExcelでは開くこともできず、データベースに取り込むにしても、大容量データならではの技術的な課題が伴います。

「CSVをインポートするだけだから簡単」と思われがちですが、私たちの経験上、この種のデータパイプライン構築は当初見積もりの2〜3倍の開発工数が必要になるケースが少なくありません。差分更新の制御、文字コードの正規化、エラー発生時の自動リカバリなど、安定運用のために考慮すべき要素は多岐にわたります。

構築したソリューション

国税庁が正規に提供するデータ取得手段を活用し、法人データの取り込みから日次更新までを完全自動化するシステムを構築しました。

お客様は技術的な詳細を意識することなく、常に最新の企業マスタを利用できます。異常が発生した場合は自動でリカバリし、担当者に通知する仕組みも備えています。

導入効果

定量的な成果

定量的な成果
指標導入前導入後

月間メンテナンス工数

十数時間(手動)

0時間(完全自動化)

データの鮮度

月次更新

日次更新

コスト削減効果

月間十数万円相当

業務改善の効果

  • 入力ミスの削減 ― 業務システムから企業マスタを直接参照できるようになり、取引先情報の手入力が不要に
  • 分析基盤の構築 ― 地域・業種ごとの法人動向や新設法人の分析が可能に
  • 担当者の負荷軽減 ― データ更新作業から解放され、より付加価値の高い業務へ注力

プロジェクトを振り返って

本プロジェクトの成功要因は、Day 2(運用フェーズ)を見据えた設計にあったと考えています。

初回構築だけでなく、日々の自動更新が長期にわたり安定して動き続けること。異常時に自動でリカバリできること。そしてお客様自身が特別な技術知識なしに運用を継続できること。これらの要件を初期段階から設計に織り込んだことで、導入後のトラブルを最小限に抑えることができました。